次のステップでも・・・

  • 2008.08.27 Wednesday
  • 11:25
 

 石塚さんの最新作です。最近は高山植物がモチーフ、実際に山登りをしたときの写真を材料にして制作しています。この写真をもとにではなく、材料にってとこが大切。写真をそのまま移してはいけません。一度やればわかりますがつまんない絵になります。 

 石塚さんは、一昨年にバリの葉っぱをモチーフに個展を開催しました。それはそれは、涙流しながら、講師に叱咤されつつ、毎週作品を作り続けて数十点。簡単に言うが実際は大変なことです。このように、一度個展を開催すると、ヒトカワむけます。 

 絵は発表しなければなりません。個人的に描きためてもいまいち成果がでないものだ。それどころか、ストレスが溜まります。なぜかというと、発表することでピリオドがつき、次の段階ステップへすすむことができるから。 

 このようなことで、最近は下準備を家で終えて、サガンで毎週1枚仕上げている。だんだん、スッキリこじゃれてきた。そして、このような段階になったときに気をつけたいのは、「苦労しないことで、手あかがなくなること」です。手あかを意識して残す作家もいるぐらいです。 

 手あかの無い超スッキリな緊張感のある作品ならいいのだけれど、趣味の工芸作品ではこまる。ここも意識して取り組まなければならない。次から次とたいへん。 

素描とは魅力的なもの

  • 2008.08.25 Monday
  • 11:23
 

 素描にとりつかれる。素描とは魅力的なものです。本作にはないスリルがある。だから、クロッキーは体育会系に通ずるものがあり、ゆえに、その後のビールが美味しいわけだ。 

 我が人物クラスは、6回でモデルが入れ替わり、そのうち1回を素描としてのクロッキーをしている。このような短時間で描くのと、繰り返し積み重ねていく本作は、脳の使いどころが違うような気がする。だから、両方交互にトレーニングすることが上達への近道だ。 

 では、静物画を描いている方々は、なぜ素描をやっていないのか? 答えはおなじくやったほうがいい。有機的なものを選んで、短時間で描く練習をすべき。たとえば、今日の食材。旬のもの、旬の魚。どれも鮮度が落ちるからサッサと描かねばならない。 

 遠くの親戚から、食材が送ってきたら、サッと描いて返事をだそう。これが絵手紙だ。面白いように様になるから不思議。 

 今日の掲載クロッキーは、どれも2分で描いたものです。上から、友澤さん、吉野さん、金子さんです。




魅惑的な夕焼け

  • 2008.08.20 Wednesday
  • 11:22
 

 夕焼けって、魅力的だよね。鈴木さんが現在制作中の作品です。葉山の海岸で、地球規模のパノラマショーに遭遇した印象を作品化している。そういえば、今年の夏はきれいな夕焼けが多かった。 

 水とか空のような形のないものは、難しいようで、おもいきってメインテーマにすると、描き手の自由さが広がるのかもしれない。究極、今回の場合はブルーからオレンジの変化を根気強く追求していけばいいのだから。 

 都会のビルの中にいると、空は狭くて、ちっとも見上げることがなくなる。今日一日の仕事をやり遂げて、空を見上げると、壮大な夕焼けにあたると、それはそれは幸せ一杯。そんな幸福感が作品に出れば大成功だ。もちろん、失意のドンゾコ絶望の夕焼けというのもあるよね。 

 いい作品になりそうな予感。しばらく、空・夕焼けシリーズもいいね。でも、偶然だけでは、夕日に遭遇するのもめったに無い。夕暮れ時に外を見る習慣をつけないとならない。なんでも意識しないとダメということ。たいへん!!! 

まわりを疎かにすると

  • 2008.08.18 Monday
  • 11:21
 

 これは澤田さんが今描いている絵です。今日、「先生、こんな感じで終っていいですか?」「えっ?まだまだ!ほど遠いよ。レンガデコボコマチエールでまわりはウスッペラ、これはダメです」 

 ついつい、石の重量感・質感に夢中になる。ハイ、合言葉は?「中も外も同じ手数で。気持ちは外6:中4でちょうどいい」おもい出したように、終了間際にパレットの絵の具をまわりにべたべた着けたところがこの写真です。 

 絵は全体を同時進行で描き進めなくては、うまくいかない。一部に集中すると、結局は時間のロスにつながる。中と外は「オイ?といえばなんだい?」と答える関係。一人では成り立たない。 

 部分から制作するミケランジェロの話は以前しました。このような才能あふれる方は、それでも先を見通せるのだろうが、我ら凡人は絶対にマネをしてはいけない。外と中の会話を楽しむこと。 

一歩近づくと、花ひらく

  • 2008.08.11 Monday
  • 11:20
 

 不器用さ、横綱級の勢いで他を圧倒する友澤君の作品が形になってきました。無意味な線も整理されて、そのおかげでモデルの量感がでています。 

 これには理由がある。ほとんど、バック・床がない構図で、テーマの主であるモデルがどーーんと座っている作品だ。何度となくテーマに近づけ!一歩前に!と書いてきたよね。まわりのことをまったく考えなくても作品になってしまうのだ。 

 それも、今回は形・プロポーション・つながり等のことは二の次です。一番は「かたまり・マス」、抱え込めるような量感がでれば成功だ。 

 水彩やドローイングなどを額装する際、マットの穴の大きさで自由にトリミングすることができる。これは、描き終わった後に、求めるテーマに一歩近づくことができることだ。しかし、キャンバスだとそう簡単ではない。 

 心をもってテーマに近づくにはどうしたものか? 描き始める前のイメージトレーニング、エスキースが大切ということになる。面倒がってはいけない。「こんなことをしない。この色の組み合わせは合わない」というような排除すること明確にすることもできるのだ。やってみよう! 

途中でも地塗り

  • 2008.08.06 Wednesday
  • 11:19
 

 うす塗りオジサンの袴田さんは、地塗り研究に集中しています。うす塗だからこそ、地肌のテクスチャー・マチエールが重要になってくる。地塗りとは、最初だけのものではない。途中で必要を感じたら、今まで描いたものをつぶすことになるがおもいきってタップリと絵の具を置く。 

 このことは、何回も言ってるが、イチゴのショートケーキのスポンジ部分に通ずる。このイチゴを挟んだ何層もの土台がないと、クリームの飾りも出来ないしイチゴを置くフィニッシュワークもできない。 

 初心者は、とかくその表面の描写を追いかけるが、中身を考えながら絵を作ることが出来ると、いちだんと描く事が面白くなる。最初からできるものではないので、根気よく繰り返し描き続けるのみ。 

仕上げるよろこび

  • 2008.08.04 Monday
  • 11:18
 

 川内さんの洗い桶に沈むワイングラスは、その後どうなったか? ここにきて、青みの色数が一気に豊かになってきました。 

 川内さんの青シリーズもかれこれ10年。そろそろ、花咲く予感です。青の上に青をドンドンのっけても、ただ鈍く重くなるだけ。ここ数年、川内さんは、絵の具をはぎ取るホルベックスという溶剤を武器に、描いてははぎ取るの繰り返し。はいでもはいでも、またもとにもどる状態でした。 

 しかし、今回。剥いだところには、極力絵の具をもらず、剥がなかったところに、おもいっきりよく絵の具を重ねてます。何回も書いていますが、絵の具の厚いところと薄いところの差がある絵は、軽やかで描き込んだ絵に見えます。 

 これから最後の一筆。この仕上げをフィニッシュワークといいます。さてどのようなことか? 
1)最初のイメージ、一番大切に考えていることは表現されているか?の確認。 
2)遠くで作品を見ていい感じ、近くでみてがっかりさせない。魂をいれる。 
3)このフィニッシュワークとは、感覚的にいえば数分の仕事。しかし、これを日を変えて再度回数を重ねてもかまわない。 

 最後で絵をこわす人は、だいたい本質を忘れて、説明にはしるひとです。気持ちよく絵を仕上げよう。絵は仕上げなければ、次の作品に生きないから。 

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< August 2008 >>

selected entries

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM