よい年を!

  • 2008.12.24 Wednesday
  • 15:08
 

 サガン・サカイクラス、今年最後の教室でした。年内完成目標の通り、何点も仕上がりました。その一つ、今年も暮れ行く夕焼けの作品は鈴木さんのもの。新しき年に、はかない希望を願うところです。 

 都会の空と夕日、上空の暗雲もあり、なんとも意味あり気なところがいいですね。しゃべりすぎているわけでもなく、控えめなサブの要素が、より良く空を表現している。しばらく続くであろう夕日シリーズ、お正月も、カメラ持ち歩いてることでしょう。 

 さて、この1年である。皆さんの絵がどんどん進化していくのが楽しい。教室のある時間帯に僕がしゃべったことは、その場で終るけれど、ブログは多くの方々に共通の思考を配ることが出来る。まことに便利なツールです。 

 会員との会話で、「あっ、ブログ読んでるのね」とわかるときがある。サカイクラスの会員なのだから、大多数が読んでるのだろう。そう、読んで考える。アトリエにいない時も一寸だけ絵のことを考える。これって、大切なことです。その結果は皆さんの絵が証明している。 

 僕にとって、皆さんの絵が自らの手によって、次の段階に昇っていくのが嬉しい。そして、それがサガンでのやりがいというものだ。だから、ブログが書き込みによって活性化することが目的ではない。 

 書き込みとは、言葉にすることで、漠然としたものをはっきりすることです。だから、考えを整理するためにコメントをいれればいいと思ってる。 

 ということで、しばらくのお休みです。リフレッシュして再会しましょう。よい年を! 

展覧会、もれなく忘年会付き

  • 2008.12.22 Monday
  • 15:04
 

 20日の土曜日、世田谷美術館で開催されている「山口薫展」を見に行って、そのまま忘年会という企画をたてましたら、18人の参加がありました。その忘年会は、中華のランチタイム(安い)にあわせたので、朝早くから皆さんご苦労さま。 

 山口薫の作品は、具体的なモチーフがあって、それを半抽象化しています。僕好みの作家で、この機会に皆さんに紹介できてよかった。それほど難解ではなくて、適度に各々のイメージを刺激し、趣味の良いセンス、絵画教室に通う方は是非見るべきだ。 

 このような生涯の作品を展示するときに、だいたいスケッチやメモが並べられている。それらは、ほっとしたり、考えさせられたり、納得したりすることが多い。今回もアイディアスケッチに色や明るく、もっと明るくなどとメモされていた。さらに、何ヶ所かに厚塗りと書き加えられている。そうなんだ、構想段階から画面の質を考えて構成していることがわかる。 

 成り行きで厚塗りになることが多い皆さんは、こういう展示物に自らをヒットされなければならない。絵は近づいて、離れて、また近づいてとボクサーのように見ること。そこで発見があれば良い作品ということ。 

 ショーケースにいれた作品は、展示企画者の見せ所。じっくり見て、何にスポットを当てているかを感じること。作者と学芸員と自分のトライアングルでつながれば良い展覧会なのだろう。 

 ともあれ、今年2回もクラスで展覧会に行けたことはいいこと。来年も行きたくなる展覧会があればいいのだけれど・・・。そこで、また一杯やれればさらにいい。 

トンガラシも居心地がいい

  • 2008.12.17 Wednesday
  • 15:02
 

 岩佐さんの作品は今週で仕上がりそうだったけれど、年内にもう一回教室があるので、完成は来週となりました。トウガラシとニンニクがちゃんと目立ってます。テーマに沿った作品になりました。 

 前回はアイスクラッシャーとトンガラシ。何度も同じものを描いて初めて実力がつくのです。絵が仕上がるたびに、今度は何を描こうと悩む方は、同じものを嗜好を変えてトライすることだ。気分一新の正月明けに、またトンガラシを描かせたらかわいそうかなぁ。 

 実力が着くといっても、トンガラシを描くのがうまくなるだけではない。その周りが助け合って、どう効果的に演出するかという思考がつくのです。これを作画意識という。ベースにダークグレーを配置し、その上に白と赤。色彩が豊かに感じる時は、それほど色数を使っていないことが多い。 

 油絵を始めてちょうど一年。2年目は飛躍の年になるでしょう。がんばって! 

青の魅力

  • 2008.12.15 Monday
  • 15:00
 

 水に漂うシリーズを続けている川内さんの新作が上がりました。葉っぱはアトリエにあるアフリカンマスクで、顔にも見えてなかなか想像力を刺激する絵になりました。 

 川内さんは水が好きだというが、実はフタロシニアブルーという藍色が好きでしょうがないのかも。インディゴブルー、プルシャンブルー、という色が好きって言う方はけっこう多い。しかも、中毒のように使いたがるところがある。 

 これらの色は少々毒々しいところがあって、使いすぎるとたちまち他の色を潰してしまう。さらに、この色は、1年後には黒になっていることがある。青というより黒と思った方が正しい。使いすぎないことです。 

 このフタロシニアブルー(油絵の具では出回っていない)はウルトラマリンブルーに近く、十分青と認識できる。色の対比、響きあいを求めるのなら、コバルト・ウルトラマリン・セルリアン等を使うべきだ。 

 モチーフにこだわる方もいれば、特別な色にこだわることもある。こだわることは絵を描く上で、最も大切なことです。フェチストたちは、すでに優れた表現要素を持ちえているのだ。「こだわる」とはまるで負のメッセージようだけれど、そうでもない、原動力の源にもなりえる。

立ちポーズ

  • 2008.12.10 Wednesday
  • 14:58

 現在、他の専門学校に通っている片野さんのデッサン、2日終了時点です。人物画の中でもっとも立ちポーズが難しいのです。皆さんも分る通り、よくできています。 

 まず、立つということはどういうことか? つり合っていなければ、誰もがすぐにひっくり返りそうに感じる。そう、誰もがである。絵心関係なしに。ということは逆につり合っていればいいだけなのです。 

 たとえば、100%重心を片足にかけたとしよう。その足と頭のてっぺんは垂直に一直線です。あとは、右肩が上がれば左腰が上がるというように、逆のチカラでバランスをとる。まるでダルマ落としみたいなものだ。 

 さらに、右肩を大きく描いたとしよう、そしたら左腰を大きくすればいい。これをデフォルメという。むちゃくちゃに形を崩しているわけではないのです。もののやりとりで「相殺」という言葉があります。これと同じこと。 

 頭と足が一直線。体の中はぐちゃぐちゃのデフォルメ。しかし「手と足」をしっかり描くと、これがどう見ても人間にしか見えない。そう、顔よりも手の方が人の象徴なのだ。 

 「相殺」とは他があって初めて成り立つこと。ここでも、ひとつでは事が成りたたない。比較対象がないと全ては成り立たない。絵って特別なことだと思わないんだよねぇ〜。
 

メリハリとは

  • 2008.12.08 Monday
  • 14:56
 

 大方の絵は、だいたいメリハリがあればいいのだと思う。このメリハリというイイカゲンナ言葉自体があやしいのですが、皆さんは出来るだけくっきりと描きたがっているように思える。 

 さて、うす塗りオジサンこと袴田さんの作品に変化が表れました。彼が考える手順で描くと、どうしても5回で終らず10回はかかるとのこと。全体に赤をかけて、次に白をかけて、線描きを仕直し、そして青をかけて・・・。 

 全体に同一な作業をしていたものを、「手を入れるところと入れないところ」「厚塗りをするところと薄塗」「ザラザラなところとツルツル」「赤いところと青いところ」「筆のタッチがあるところとないところ」にしていくと実は仕事が早くなる。 

 悪い言い方をすれば、メリハリとは手を抜くことなのだ。描かないところがあって、はじめて描きたい物を強調するところがある。要は比較されて初めてそれ自体が成り立つということだ。 

 今日の話は、頭の隅において置くぐらいでいい。そう、皆さんはやり過ぎることをしなければならないのだから。 

垂直水平ふたたび

  • 2008.12.03 Wednesday
  • 14:54
 

 水曜午後クラスの佐藤さん、今日から描き始めた作品です。先週に続き、垂直水平の話をします。モチーフは、壁に本が立てがけ、水差しと果物です。それらが十字を切るような構図に配置されている。 

 垂直水平というのは、知的な規制であり、安心感の源である。キャンバス自体が垂直水平であり、その規制のなかで、右往左往することを自由とも言える。やはり、自由とはシバリがないと味わえないということ。 

 シェイプドキャンバスといって、ガタガタの中に絵を描く作家がいます。だいたいはガタガタのどこかに垂直水平があったり、絵の中に垂直水平を作っている。すべてがフレキシブルな作品はとっても大変だ。どこかの展覧会でお目にかかったらそこらへんをチェックしてみてください。 

 さて、この作品。垂直水平だけでなく、L字の構図。Lの中に水差しと果物があり、四角の中にというか四角そのものが本。実は、キャンバスを分割して、キャンバスと同じ矩形を作ることは、構図の王道なのです。黄金比って聞いたことがあるよね? 

 でも、黄金比から絵は描けないから、あまり考えなくていいからね。

スイモン画家、復活

  • 2008.12.01 Monday
  • 14:49
 

 久しぶりに水門を描いた柳澤さんです。1年近く水門シリーズとして描き続けた意味が、このようなかたちで現れるのです。作者としては、ちょっと描いてみるべか、の軽い感じでしょうが、以前にしっかり取り組んだ結果がよくでている。 

 水門をいろんな捉え方をして、これはいける。これはダメ。というのを身をもって経験しています。先の個展で多くの作品を仕上げた上で、半数以上をボツにしました。そういうことは、後でスゴイ形で現れる。 

 力まず、坦々と、短い時間で描き上げたこの作品は、余計なオシャベリはなく、必要なことをしっかりと表現しています。僕は、この作品の背景にキラキラと輝きながらボツになった作品と1年間の集中力を感じます。 

 HOW TO ものをまねて作った、ペラペラの1枚にはない、濃厚な時間を感じます。絵はすぐにはできない、くりかえしの結果です。拍手! 

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