禁欲的でありながら、自由

  • 2009.05.27 Wednesday
  • 18:11
 

 中森さんの新作があがりました。シンプルで、禁欲的な絵です。ターゲットに向かって背中合わせのボディー。見る側に、意味ありげに語りかけます。そして、なにかしの想像力が湧き上がる。実は、禁欲的でありながら、自由なのだ。

 描きすぎない、語りすぎない、間をつくることで、最後の一章節を見る側に委ねる。そんなリキマナイ世界って、いいわぁ〜〜。そう思いませんか? たとえば、土曜ワイド劇場。あれは説明が多くて、見る側に自由がない。だからツマラナイ。

 こんな僕でも、たまには、白黒の絵を描きたくなる。そんな時は、だいたい不自由を感じている時。その白黒の絵を何枚も描くと、しだいに色を感じる絵になっていく。白黒が色になる時、それはそれは十分な解放感を得るわけです。要するに、幸せになれる。

 お金でもなく、名誉でもなく、食べ物でもなく、ただ白黒が色になるだけで幸せになれる。本当だよ。

展覧会後は整理整頓スッキリ

  • 2009.05.25 Monday
  • 19:25

 飯嶋さんの葉っぱが完成しました。4月の2人展以後の最初の作品です。さて、どうでしょう? 展覧会後に腑抜け状態に陥るものもいれば、大変革して調子に乗るものもいる。その後者であって欲しいし、意識の高い作品です。

 モチーフはアトリエにある、貧弱でも有り、この劣悪な環境で、よく生き延びていると声をかけたくなる生命力だ。その湧き上がる生命、上昇する気力息づかい、しぶとさが表便されているではないか! もうこれで十分。

 さらに、視線の行き所に順番があり、観る側を不安にさせていません。面積の大小もあり、心地よいリズム感もある。いい作品です。ココまで褒めれば、木に登るほどステップアップするのではと期待する。

 展覧会をやれば、自らを整理整頓することが出来る。何点も同様の作品群をそろえることが、なによりもスッキリと次を見据えることができるのだ。展覧会がないと、未完成の作品をたくさん抱えることになって、悶々とする。

 人生の区切り区切りに個展を企画するのもいい。お手伝いしましょう。そのかわり、計画性の無い、突然の展覧会はダメよ。展覧会は過去のも、同時進行ではありません。会期中は、すでに次のことをやってるものです。協力するよ、いつもより厳しくなるけれどね。
  

次の作品に向かって

  • 2009.05.20 Wednesday
  • 18:34
 



 コスチュームクラスの作品が上がりました。2点の結果報告と新たに2点紹介します。

(1)原田さん、セピア調のベースに乳白で仕上げてあります。きれいな白ですよ。絵の具の垂らしが発展途上で、技術習得中。

(2)黒派の島田さん。所々でネリゴムを使ってマイナスの描写をやる時間が必要。明るい面を掘り起こすような作業のこと。正念場。

(3)墨汁で描いている友澤さん。クロッキーの延長のようなもの。いつもはジェッソで明るい面を復活させていたのだが、今回はうまくいかないところを部分的に紙を貼って、また描くという作業。うっすらと下が見えて面白い。これもコラージュかな。

(4)うす塗り系の袴田さん、最近少々マチエールに拘り、少々厚塗り系。背景は良い感じで、その中で人物をどう処理するかが課題です。まだ途中作品ですが、背景が広い作品は人物を描きすぎないことです。誰にも言えることですが、画面の下3分の1に緊張感が出てくるとよいのだが・・・。

 人物クラスは、モデルがいなくなると終わり。だから次の作品に向けて自動的に気持ちを入れ替えることができる。ズルズル描き続けないところがいいところ。みんなで来週から気持ち入れ替えるのだ。




モチーフは宝の山

  • 2009.05.18 Monday
  • 18:10
 

 今日、野上さんの絵が上がりました。けっこう悪戦苦闘してたかな? よく見ると、例の赤青黄色の三原色だ。その3色のうち2色を近づけて、一色をアクセントカラーにすると良いと何度も書いている。分裂補色という方法を使えば絵は落ち着く。赤をブッカケて、赤青を近づけて一件落着。

 いつものように、地にはカラフルなパッチワークがあったのだけれど、いろいろやってるうちに、跡形も無くなり、色は単純化してくる。やはり、そういう時は再度パッチワークを入れて、スクラップ(壊すこと)も必要になる。その勇気が必要だ。

 もうひとつ、途中でモチーフを組まなくなる。別にその通り描いているわけでないにしても、モチーフにはヒントがいっぱい詰まっている。たとえば、どう分割して、一様な表面にならぬようにとか・・・。

 実際のモチーフにしても、風景の写真にしても、描き写すことではない。その中の情報を確認すること。モチーフは宝の山、どれを選ぶかが描き手の思いだ。振り回されるのは御免、選択するのは、一人称の私。それが自由というものじゃありませんか?

 

本作と素描は両輪

  • 2009.05.13 Wednesday
  • 18:38
 

 必要に迫ってとか、問題意識をもって、課題に取り組むと、想像以上の効果がある。だから、段階をふんだカリキュラムがその個人に適切かというと、そうとも言いきれない。必要と感じていないと、同じことを聞いても、経験しても、何も残らないものです。

 そこで、笹川さん。いつもクロッキー中心の作品を描いているわけですが、どうもマンネリ感をぬぐえないと、自ら描いたり消したりのデッサンにとりかかった。絵は白っぽいけれど、4週目で、何度もなおした形跡がなかなかいい。彼女いわく「いかにいままで、見ていなかったか、観察していなかったか・・・」と。

 クロッキーの馴れっていうやつです。雰囲気・呼吸・勢いをつかむのが素描ですが、そればかりでは、「感性」ではなく「慣性」「惰性」で描くようになるのだ。自己コントロールが必要になる。

 今日もくりかえし、本作と素描は両輪である。

なんだ?裏の仕事って!

  • 2009.05.11 Monday
  • 18:35
 

 萩原さんがニューヨークにたって、その後の水彩画を一人でしょってたつ鮎澤さん。今日は野菜を持ってこられませんでしたと、冷蔵庫から適当なリンゴをとり出して、さっさと描き始めました。

 何回もリンゴと対面したとはいえ、「とりあえずリンゴでも描くか」の感じで、この完成度。チカラがついてきましたね。毎度、悔しい思いをして努力をしてきた結果です。そろそろ、次の段階にステップするときです。

 さて、前回は「クロッキーのススメ」の話でした。引き続きその話です。油絵などを描くことを本作と言ったりタブローという。要するに表の仕事。であるからには、裏の仕事がある。それは、クロッキーのこと。ロダンなんか「考える人」なんていう彫刻を作るが、エロティックなクロッキーをたくさん残しています。(アトリエの本棚に有り)

 この裏と表のバランスをどうとるか? が作家の関心事になりうる。作家と絵画教室に通う方々との違いは、実はここにある。でも、別に裏なんかでなくてもいいのです。日々、関心事の絵日記なり、素描を残せばいい。

 これだけは、やり続けた者しか得られない重大な果実がある。How to 本には手が出ない世界だ。たとえば「今夜の食材シリーズ」いいね〜、こんな身近な題材がグッド。たぶん、裏の仕事も身近だったと思うけどね。

クロッキー会やってます

  • 2009.05.06 Wednesday
  • 19:21
 



 昔は、大型連休って言ってホクホクしていたけれど、今年は長期連休。なんか休業?って感じで、今日の最終日は疲れがドーッとでるところ。そんなわけで、今日のクロッキー会は参加者も少なく寂しい感じ。

 そんななか、飛び入り参加してくれた月曜午後クラスのお二人さん。なかなか描けるので紹介しましょう。上が石川さんで、下が野上さん。黙々と描き落とした中の一点です。静物画ばかり描いている方は、時にはこんな感じで参加すれば、とても新鮮な感覚を得られるはずです。

 要するに、宣伝です。夜のクラスのクロッキーを全会員に解放しています。皆さんの参加をお待ちしてます。クロッキーの予定はホームページで確認してください。よろしく。

短時間で量をこなす

  • 2009.05.04 Monday
  • 18:57
 

 世の中連休です。ドライバーさん、ご苦労さまです。そんなこと関係なく、今日もサガンはいつものように人が集まりました。ご苦労さまです。

 今週の夜は、クロッキー。連休にぶつけてみたのですが、さて? 我がクラスのクロッキーは2分×30回、4分×15回。一回来ると、45枚以上の素描をすることになります。描いては床に投げ出し、さらに描く。この繰り返しが、運動選手のトレーニングのように、瞬時に描くチカラをつけていきます。

 瞬時に描くチカラとは、描くところとカルク流すところを見極めるチカラのことです。だから、線の表情(太い・細い、スルドイ・ユルイ、早い・遅い、留まる・流れる、引っ張る・ちじまる)を駆使して表現することになる。

 線の表情を駆使するにも、見て感じて、意識しなくては結果が出ない。だから素描ではない、何日もかけて描く作業も必要になるのだ。僕は、この二つの作業は絵画の両輪だと思っている。どの作家も、かげでいろんな素描をしているのをみればわかる。

 では、クロッキー上達の極意を伝授しましょう。
1)紙は安ければ安いほどいい。裏紙なんかが一番いい。粗悪なほどいい。理由は、肩の力が抜けて、気負いがなくなる。

2)短時間で枚数をこなすこと。10分、20分かけて、クロッキーか? 余計なことをするだけで、チカラはつかない。100枚描いて、1枚の最高作品が出来ればいいと思ってやること。

3)ほとんど体育会系の作業です。睡眠不足等の体調不良は厳禁、集中力がものをいう。現に、最初のクロッキーに傑作がよくでます。

 皆さんも参加しませんか? 疲れるけれど、おもしろいですよ。

 

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