色が見えてくる

  • 2010.02.24 Wednesday
  • 18:02
 

 まだ制作途中の川合さんの作品です。前回の作品では、緑の出しかたで苦労したからか、モンステラの葉っぱは、申し分なく良い感じです。今日、取り上げたのは、オレンジのところ。

 今日の中ごろまで、オレンジは北極点から南極にむけて、筆をなぞるように描いていたのです。それではどこもかしこも、おんなじ色おんなじ明るさになってしまう。面を意識し、球体だと思わず、絵の具を置くように描くことと指示。

 さらに、周りの色を取り込んでみようと。オレンジに緑や青が入り込み、壺にもオレンジ色が入っています。この状態を作者が見て、「あーーなるほど!」と感じたんだよね。一目瞭然、これが関係というやつです。それぞれが相互に色・光に干渉しあっているのです。

 思い込みで、その固有色だけで描いても、ちっとも絵の中では落ち着くものではありません。これが解ってくると、本当にいろんな色が見えてくるから不思議です。

 ボナールの人物の陰には、紫系の色が使われている。昔、僕にはそんなもの見えませんでした。頭で理解して、陰には紫を使っていたのです。ある時、先生が「色白の白人女性のモデルを使えば、本当に紫に見える」と言ったのので、へぇ〜〜っという感じだった。

 何年かあと、そのチャンスに巡り合えて、「本当だ!見えるじゃん!」色彩の魔術師だと思ったけれど、そうでもなかったという話です。事実ということ。

水面にイタメシいかが?

  • 2010.02.22 Monday
  • 17:44
 



 以前は、水門画家とか酔悶画家で名が出てましたが、最近は水面画家で再デビューしている柳澤さんの2作品が出来上がりました。

 静かな湖面に写る逆さの木々、キチンと2番目に目が行くようにセットされています。そうでなければ絵は成り立ちませんよね。実は、水面画家の前に紅葉画家っていうのがあって、これがことごとくうまくいかなかったのです。

 その流れで、この絵も水面に紅葉が映し出されていたのですが、やはり、地上の景色も目立つし、水面の赤も目立つしで、どっちつかず。悪戦苦闘の結果、紅葉を捨ててここまできたのです。水面と言えども、やはり青空と紅葉は難しいのだ。



 続いて、同じ月曜午後クラスの神山さん。アトリエの並びにある、イタリアンレストランの絵が出来上がりました。ワンちゃんが可愛いよね!しっかり密度のあるいい絵です。実は、この残雪、「もっと地面を明るくして」と指示したところ、とんでもなく白くなったのです。そこで、最近よく雪降るし、雪景色にしましょうということになりました。

 キャンバスの角の三角形はとても目立つので、あまり構図的にはよくありません。だからこそ、ある程度の描き込みが必要で、上との密度のバランスも考えなくてはならないのです。そこで、雪は大正解でしたね。

 みなさん、いいかんじで、仕上がります。ブログもチョーラクチン!

2度目のトライ

  • 2010.02.17 Wednesday
  • 18:28

 この作品は、澤田さんの「静かな湖面」 3週間前に出来上がったものです。今日、上野の森美術館で開かれる光陽展(2/20〜26)に入選したとのことでお知らせします。

 先の個展で描いた3号の作品を、もう一度大きなキャンバスにリメイクした今回。前回の勉強を思いだしての再挑戦です。そんなに簡単なものではありませんでした。評判がよかったから、トライしたのに、なかなか出来上がらずイマイチの状態が続きました。

 まずは、大きくしたことで、密度がのびてしまいます。おんなじことをしてもおんなじにならないのがこの大きさの問題。一回目は、その試行錯誤の繰り返しが、たいへんな密度を作り上げる。小さいからなおのことです。そのアーダコーダを飛び越して上がりを急ぐからイマイチになるのです。

 でも、同じ作品をつくるのはいい勉強! あなたもどうですか? 

「柄」的な絵が描きたければ

  • 2010.02.15 Monday
  • 17:49
 

 今日は、藤山さんの小品が数点上がりました。そのうちのサクランボの絵を紹介します。あいかわらず、ほんわかのフジヤマワールド健在です。今の目標は、背景のパッチワーク模様と中のモチーフの共存です。

 物としての絵もあれば、柄としての絵もあります。両方を得ようとしても無理なことです。どっちつかずもよくありませんし、結果がともなわれません。柄としての絵は、中を具体的にシツコク描いてはいけない。逆に透明感があるように、柄に溶け込む感じで成り立つ。

 何回も言っていることだけど、見る側は勝手に想像するし、その楽しみもあります。案外、シツコク描かなくても、シッカリその物を表現していることもある。作者、作り手の思い込みで、説明過多になってしまうのだ。

 説明とは、絵のテーマとは離れたところにるものです。意識して遠ざけるぐらいで丁度いい。もっともっと、描こうとした動機を思い起こして欲しい。その動機には、「物」も「柄」関係ありません。

たくさん仕上がった

  • 2010.02.10 Wednesday
  • 17:54
 今日、たくさん仕上がったので、紹介します。

 

 最初は、佐藤さんの「静物」です。清々しい統一感のある絵です。この統一感はどこからくるかというと、青の出し入れ・赤の出し入れ・黄色の出し入れをキチンとやっているから。赤には青と黄色を入れることで、周りの環境を表現し吸収している。もし出し入れがなければ、赤青黄色の三原色で、チョー下品な絵になったことでしょう。おみごと!



 次に、石塚さんの「葉っぱ」です。最近は、紙のコラージュだけではなく、絵の具の流しも取り入れています。その絵の具による有機性も相成り、なんとも叙情的な世界が出てきました。そういえば、色数も抑えてきましたね、大人の世界ってやつですか。歯ぎしりしながら頑張っています。



 最後に、雰囲気ガラリと代って、長島さんの「モンステラ」です。クラスの仲間たちの多くがが描いた題材ですが、今回は黒々と重厚に仕上げました。このブラック&ホワイトのコントラストによって、キビシイ世界観もでてきますな〜。実は、迷ったあげく、うっすらと葉っぱに色を入れたのですが、やはり想像通りこっちの方がいいので採用です。

 このブログをやり始めて、もうすぐ3年。皆さんの絵が変わって行くのが肥やしになってます。まだまだ息切れしてませんぞ、頑張りましょう!


古キャンは巨匠をつくりだす

  • 2010.02.08 Monday
  • 17:41
 

 今日、スンゴイ作品ができた。ていうか、現れた。佐々木さんが、緑のトンネルの絵を描いていて、「私のスタイルじゃない!」と一気に修正しました。気楽さと新鮮なイメージのせいか、なんとも気楽な図柄に色合い。とってもいいですね。

 そこで、「あなたが巨匠ならここで終わっていい」と言ってあげたのです。どんな作品がいいのかを知っておかなければならないから。きちんと記録に残しておこう。(たぶん来週には消え去る)

 今日は古キャンについて。気に入らない作品を再利用ということで、その上に違う絵を描くことはよくある。何回も再利用すると、ジャマなデコボコが気になってくる。その時はもうあきらめよう。中には、白で地塗りをやり直す人もいる。これって意味があるのだろうか? 白とはフレッシュそのものなので、デコボコと新鮮さとは無理がある。

 古キャンに描く場合、下地を早く消したいとの衝動にかかれる方が多い。それって描く行為とは甚だ遠く。つまんないものになる。今回の佐々木さんの作品のように、どんどこ描きいれて、微妙に下地の色も残っている。まさに描く行為そのものだ。

 絵は対象を見て感じて、自作を見てイメージを膨らますもの。ペンキ屋や左官屋にはなってはいけない。木村忠太の公園の作品には、いくつものイメージが二重三重にあわさった、複合性を感じるし時間を感じる。描く行為をもっていれば、そう簡単に塗り潰さないものだ。

絵は整理整頓

  • 2010.02.03 Wednesday
  • 17:35
 

 水曜午後クラスの服部さん、なかなかシックな作品が出来上がりました。多くの色を使いながらも、明るさを統一することで、落ち着いた雰囲気になります。

 実は、敷物の柄はもっと目立つコントラストがあるものでした。しかしそれでは、一番のテーマである上部に目がいかないので、何度もグレージングして落ち着かせたのです。基本は、コントラスト(明暗差・色相差・再度差)だということです。見る側、描く側の目の動きが、そのままコントラストの順番になります。

 何度もブログ登場していますね。そのためには、自分の中で完全に整理整頓されていなければならない。描き始めは、うまくいっていても、時間の経過とともに何だか違う作品になってしまうのは、整理していないから。偶然うまくいくなんてありません。

 絵を描くことは、考えること。センスがいい、才能があるなんて言って、逃げてはいけない。徹底的に考えること。スッキリと整理すること。講師はトレーナーでありインストラクター、頭の整理整頓を手伝っているにすぎない。意識しようね。

復活の日を待つ

  • 2010.02.01 Monday
  • 18:39
 

 鮎澤さん、臨月に入り、今日が最後の日です。3人が風邪で欠席につき寂しかったけれど、簡単な「一時お別れ会」でした。みんなで安産祈願です。

 さて、鮎澤さん。実は一日一枚の絵日記をはじめています。ササッと10分〜20分で描くぐらいの大きさに水彩です。イザという時の入院グッズに小さなスケッチブックが入っているとのこと。出産後の制作に向けて、早めの始動ということですね。長続きのコツは、何となく始めることかも知れません。



 そしてこれは、一時休会に入るにあたりの終了制作です。今回は、完全にテーブルから描き始めました。正しい描き方です。要は、枯れ葉を描くにも、大根を描くにも、無意識にまわりを感じながら合うように描きます。だから、中から描く時は、白に合うように描くわけです。

 そして、合わないのですが、中を見ながらバックを描く。合わないので、バックを見ながら中を調整する。解りますか? ひと工程多いですよね。その分、色は濁り鮮度は低下します。この感覚をもちながら、やり過ぎないで、いろいろを同時に進めることです。

 一発芸的な水彩は、寿司桶の一番大好きなにぎりから食べることで、じっくり描く水彩は、一番大好きな握りに行着くために、食べる順番を考えることに近い。どっちも正当な食べ方です。だっちでやるかという方針を決めること。

 早めの復帰を宣言した鮎澤さん。家族の協力あってのこと、頑張ってください。待ってます!

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