カワイイ色とは?

  • 2011.06.29 Wednesday
  • 19:25
 

 フジヤマワールド、最新作です。かわいいケーキが小さいキャンバスに納まると、なおのことカワイイ? 肩ひじたてず、ヒタヒタと我が世界を表現する。いいですね。

 キレイな色・好きな色ばかりで絵を描いても、ちっともキレイにもならず、ましてカワイイなんて無理です。色にはそのもの自体がもつ明るさがある。その明るさ使いこなして初めて色に輝きが出る。

 色使いには、おおよそ2種類ある。いろいろな色を使いながらも大方同明度で展開するか、少ない色数・類似色を使って明度差で表現するかだ。皆さんの絵の具箱は、だんだん色数が増えていきます。(ついつい、この色があったらと買ってしまう)そんな傾向があれば、明度差を小さくした絵を描くことだ。

 カワイイとは、対比が少ないということ。色相差があっても、ペールトーンやライトトーンでは、それほど対比はでない。これを、世の中ではベビーカラーというのだろう。何かを表現したければ、その色を使う。そして、その色を生かすために汚れ色を使うこと。

自分の地色を知る

  • 2011.06.27 Monday
  • 19:28

 飯嶋さんの完成間近の作品です。題材は、バリのプールに映ったパラソル。気持ちよく、サッサと描いて、いっちょあがり〜〜!ってな感じ。いいね。

 さて、今日の飯嶋さんのパレットがとっても調和してキレイだった。「そんな感じで仕上げてね」 と言ったのですが、よく見るとパレットがグレーだった。そのライトグレーの中で色が輝いていたのです。本人はこの絵の中にグレーを入れるなんて思ってもいなかったみたいです。

 グレーは明るさを合わせると、他の色の色相を引き立てます。それにみんな頑張らなくていいから、ラクな絵になります。(肩に力が入っていないと言う意味)汚れ色の必要性を感じるところです。

 そこで、あの木製のパレットはなぜ茶系なのか? それは、古典的な絵を描くためです。その意味をなくして、延々と製品として残っている。僕は以前、ガラスのパレットを使っていました。アクリルだったので、そのまま放置して乾いた後、霧吹きをかければペロッと剥けてキレイになって便利だった。さらに、ガラスの下に色紙を入れれば、どんな色のパレットにもなったのです。

 自分の地色を知ることも必要なのだ。得意とする色の組み合わせをゲットすること。これが、自分の絵をものにすることにつながる。


モノづくりは実験室のごとく

  • 2011.06.22 Wednesday
  • 19:50

 水曜午後クラスの森さん、少しずつクラゲスリーズがスタートしています。 まずは、色味、タッチ、絵肌、いろいろな経験をしようと、F3の小さいキャンバス3枚で始まったのです。しかし、途中で方針変更(気分変更)・初心忘却により、どれも一緒になってしまう。ずいぶん時間がかかってしまいましたが、今日で次に行くことに。

 やはり、1枚の絵の中で、いろいろなことをやってはいけない。経験としてのサンプルを残すぐらいの気持ちが必要だ。最初のころがどうだったかは忘れてしまう。もう一度、おんなじ事が出来る→それに最小限のことを足す→結果を確認する→記憶する。実験室の作業みたいなことをやって、自分の世界を構築するものだ。やりがいがあるっていうものだよね。

 さて、森さん、この停滞気味の作業ですが、コロッと次のハードルに向かっていることでしょう。がんばってね。

ブリヂストン美術館

  • 2011.06.20 Monday
  • 18:29
 

 ムッとしたり、腹が立ったり、よっぽど吟味しなければ、裏切られるのが日本の美術館です。そんななかで、毎度気持ちよく見ることが出来るのがブリヂストン美術館。企画が自分に合わなくても、いつも迎えてくれる本物の作品群。いいものをもっているよね。それに、入館料が安いのもいい。

 学生時代、僕自身アンフォルメルの洗礼を受けている。形をしっかりとることが苦手な学生には、好都合の対象だった。そして何をやるかと迷うことが無かったのだから、制作の持続という意味でもよかったし、なにより好きだった。

 そういえば、絵の具の中にいろんなものを混ぜてみた。タバコ・砂・土・コーヒー・糸・オガクズ・ワラ・石膏・・・。そして、キャンバス以外の板・ジュート・陶板・ボール紙・段ボール・・・。うまくいったかどうかでなく、その経験が楽しかった。それが僕の基礎となっている。

 フォートリエ、デュビュッフェの作品を目の当たりにして、当時の想いが未だに輝いている。いい作品だ。この展覧会は、7/6までやってます。どうぞご覧あれ。
 
 

絵の答えは、自分にある

  • 2011.06.15 Wednesday
  • 21:08


 この絵は、水曜夜のヌード人物クラス最長老の須山さん。まだ、制作途中。なかなか、色気に深みがあります。いつも、一色単になってしまうのですが、今回は色味豊かです。実は、パステルを始める前に、アクリルで何色かを地塗りしているのです。それで、各パートごとに色の違いが出ています。

 形の追求か、色の深みか。いずれかを選択するならば、色味豊かな方が僕自身納得する。その方が安心するのです。形の厳しさがなくても絵になるのですから、おもしろい。音楽じゃ、ありえないものね。音が狂っていたら気持ち悪くてしょうがないのだから。

 人には、表現欲というのがあって、結構無くてはならないものだけれど、今回の震災のようなことがあると、吹っ飛んでしまう。言葉であったり、書・音・植物だったり。そんななか、サガンに通うことになった皆さんは幸せ者です。くるってもいい、ちょっと怠けてもいい、そんなルーズな世界で、ただ真摯に自らを表現すればいいのだから。絵の答えは、自分にある。 

梅雨時に清々しい絵ができた

  • 2011.06.13 Monday
  • 18:04


 月曜午後クラス、飯嶋さんの「水辺の絵」ができ上がりました。このシリーズを始めて3年になろうか? だいぶこなれてきました。 30号の大作を描いた後、このような小品を描くにあたり、突っ込みすぎ・やり過ぎ・こねくりまわし過ぎで、苦労しました。小さい作品は頑張らず、一点勝負のようなもの、欲張ってはいけません。

 今回は静岡の柿田川も取材に行ったことで、違った水辺になってきたようです。水の底を描くような感覚って難しいよね。今後に期待します。


 この作品は、柳澤さんご自身の秩父の山小屋からの景色です。テラスの藤棚を通して遠くの山を望む透き通った空気を感じる絵になりました。 外の明るい景色を描くときには、近くのものは暗くシルエットになる。これを両方克明に描いては、もともこうもない。いい絵になりました。

花はアリモト風です

  • 2011.06.08 Wednesday
  • 18:21

 今日、午前クラスの中森さん、小品2点仕上がりました。今回は上の方で、小さなお花浮遊しています。本人いわく、「有元利夫さんみたいに描いてみたい」とのこと。僕は花は知らなかったけれど、ひっかいたりして古さを出したら、なかなかよくなりました。描いているものは単純なので、ひと工夫必要です。

 絵は独自性なきものはありえない。だけど、好きな作家をまねしてはいけないのだろうか? 答えはOKです。どうせ同じくはならないのだから、とっかかかりと考えればいい。そう、ささっとやりたいことをやればいい。その後にやってくる答えを楽しみにして・・・。

絵の中に意志を入れる

  • 2011.06.06 Monday
  • 22:48
 

 水彩とパステル併用して、一日に一枚描いている川内さんの今日の作品です。最近音楽会に行ってきたようで、音のイメージを描写しようとしています。音も絵も、リズム感が大切ですよね。リズムとは根底に流れる大元だとおもう。絵の大元とはなんだろうか? クレーが「面・線・点」と絵画の要素の優先順位を言っている。そう、絵画の大元は「面」だ。

 絵の中に、青赤黄の線ぽいものがあるが、この太さに大中小をつけたら、飛躍的にリズム感がでる。なんとなくでは、なにも起こらない。最初の一歩「大」をつければ、おのずと「中小」が現れる。それが意志というものだ。

 絵の中に、三つ赤があります。最初は同じような感じだったのですが、本人に何処が一番だと思う?」と尋ねれば、「?」「まん中に鍵盤みたいのがあるけれど、ここじゃないの?」と。そこへ、強めの赤と青を入れるだけで、絵は変わります。意志が入ったということですね。

あかね色に広がる空

  • 2011.06.01 Wednesday
  • 18:37

 あかね色に広がる空を描いたのは、水曜午前クラスの鈴木さん。一本のマストとダイナミックな空、インパクトのある対比です。作者のその空気を捕らえようとする気構えを感じます。いいよね。

 さて、空にしても、草原・砂漠にしても、このような広がりのあるモチーフは、漠然と描いても間延びするか、まったりとしてしまう。色目の違い、反転・展開、少々の違いをアクセントにして、構図として成り立たせる必要がある。それが、いつも言っている描くところ。

 描くところとは、まずは強調したいところだ。その一ヶ所が決まれば、サブのポイントがみつかろう。そして、2ヶ所決まれば、最後の一ヶ所は必然的に決まる。どんな絵にも当てはまるから、イメージしてね。 

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