いい絵とは

  • 2011.09.28 Wednesday
  • 20:34
 

 柳沢さんの「赤ピーマンとポット」が出来上がりました。最初は、ピーマンとポットとポスターで仕上げたのですが、なんかパンチが乏しく、再度チャレンジです。変更点は、ピーマンの下に黒い紙袋、そしてポスターに代わって毒のある画集を起きました。これで、黒つながりの共通項がある、芯のある作品になりました。黒って魅力的だよね。


 そして、毎度おなじみの石塚さん。バリの葉っぱシリーズ継続中です。日本の葉っぱと違って、年中元気がいい。だから、元気がいい葉っぱでなくては元もこうもない。どぎつくてもいい、派手でもいい、日本と違っていれば、ひとまずOK。

 このように、何を描いているのか? こんな事をいつも自問することだ。決して、「いい絵」を描こうなんて思ってはいけない。「いい絵」とはとっても具体的なものです。何となくとか、人知れずなんて幻想。いつもいつも、描く原動力を問うことが大切。なんで、こんな絵を描くの?その意味は? 「一言で言い切る」それが原動力。イイワケ無用です。

初めての水彩画

  • 2011.09.26 Monday
  • 21:01
 

 月曜夜クラスの高橋さん、初めての水彩画に挑戦です。Tシャツに半ズボン、それに長靴という身体の要所を見つけにくいポーズでありながら、よく描けています。重心の位置、腕への荷重といい、ただ立ってるだけでも難しいのに、よく表現されている。

 水彩表現の近道、青紫で大ざっぱに陰影を付けた後、その固有色を着彩する方法を今回も伝授。全体につながる基本色によって、影の表現とともに統一感がでます。このような統一感をもたらすために、その他の色では、ペイニーズグレーというのがある。英国水彩の代表的なテクニックだ。

 透明水彩は、重ねてなんぼ、塗りすぎて失敗、という画材です。色の宿命、混ぜれば暗くなるわけで、いじればいじるほど暗くなり汚れる。だから、影の暗い部分から着彩するわけだ。明るいところは、大事にとっておこうね。不可逆な材料、それが水彩です。辛気臭いが、ワンツースリーと小気味よく仕上げると、この上なく軽やかな表現が出来て気も晴れる。奥深いね。

いやはや、台風通過

  • 2011.09.21 Wednesday
  • 22:50
 

 今日は台風通過。まだ午前クラスは、平常通り開講できました。そのなかで出来上がった2点を紹介します。最初は、中森さんの「ブドウ」です。ちょっと冒険的に上下真っ二つの構図です。何とかなるだろうと見切り発車したものの、なにかと上下の調整に時間がかかりました。

 ちゃーんと順番をつくって、見やすくなってますよね。皿と上のポスターはケンカしてません。ホントは上下裏表のどっちにでも見られる、見る側で好きに1番を作れるような絵にする予定だった。それが真っ二つの意味です。でも、気持ちよく納まったからOK。


 次は、尾中さんの「桜のゴルフコース」です。桜の時季、まだ芝が青くなく、これからってな感じがでたかな?

 今回のポイントは2点。一つ目は、手前の芝は何にもなくても、手を抜くな。ないからこそ、しっかりと絵の具をつけて密度を高めること。奥の針葉樹とつり合うようにならなければならない。二つ目は、針葉樹も桜も外から(地面や背景)描いて形を出すこと。中ばかり描いていては膨張するばかりで締まりが無くなります。それに枝や幹のすき間だって描かないと空気が通り抜けません。

 そして、午後は2名のご近所の方が参加し、夜はモデルも来られず臨時休業です。帰れませんから、ゆっくりと夜クラスの会員と飲んで楽しむことになりました。なにはともあれ、帰宅完了。よしよし。

シンプルは気持ちよい

  • 2011.09.19 Monday
  • 19:22

 山崎さんのダーツシリーズ続行中です。もうすぐ出来上がりそうな作品が2点、そのうちの一枚を紹介しましょう。十字とお花で、それなりに意味あり気な作品です。シックに上げてるので、なおのこと深い意味があるようになりました。

 十字の石膏の形は、少々修正が必要か、それと床の明るさを少し落として水差しの底よりも十字を目立たせること。水差しは、目立たなくても、いい存在感がでていてよし。シンプルなバランスで成りたつ絵ですね。

 描き始めの頃、あまり見下ろさないようにと忠告しました。そう、十字が美しくなければ絵にならないからね。おなじモチーフも、見る位置でまったく見当違いなものになるのだ。 

へったくそは大好き

  • 2011.09.14 Wednesday
  • 20:36

 水曜夜クラスの永吉さん、只今奮闘中の木炭デッサンです。当初の黒々力任せのデッサンから、ずいぶんと知的な感じがしていました。(これでも)

 よく木炭デッサンがいいですか?それとも鉛筆がいいですか?と聞かれます。一概には言えないのですが、絵を描く意味から言うと、断然木炭デッサンを勧めます。ザックリとつけたりバッサリととったりするダイナミズムは、辛気くさい絵を描かないのなら、こっちの方が断然いい。

 練りゴムで擦ることは消すことにあらず、明るくする行為です。それを「マイナスの描写」という。描いてばかりの「プラスの描写」ばかりだと潰れてしまう。このプラスとマイナスの繰り返しの経験が、後に自信をもって(魂をいれて)描く原動力になる。絵はHOW TO ではなく経験値で描くものだ。だから、やんちゃな方、やり過ぎる方が、上達するのも頷ける。

 僕は、へったくそでガンバル方が大好き。だって、先が分かってるからね! 

辛抱辛抱

  • 2011.09.12 Monday
  • 19:24
 

 今日、出来上がった作品を4点紹介します。まず初めは、有田さんの水彩画。焦げ茶のポットがキーポイント。どこまで黒くするかですべての色合いが決まる。このポットは、これから何回か重ねると複雑な色合いがでて、幅広い黒の表現になる。一歩前。

 果物とトウキビは淡いので、イマイチ合わない。淡い絵を描きたければ、ポットを白いホーローにすれば簡単なことだけれど、しっかりと描きすぎるぐらいやらないと、以後軽く描くことも出来ないのである。もうちょっとの辛抱が必要です。そのハードルを超すと楽しい世界が待っている。


 三輪さんのちょこっと水彩、水辺シリーズです。写真を読み取る力が少しついてきて、以前とは変わってきました。ただ描くから、どう描くかへの過渡期です。こちらも、しばし辛抱。


 神山さんの、気晴らしサムホールも3点目になった。なんか、気晴らしが本格化する気配あり。さてさて、思案思案の分かれ道です。こちらも辛抱。


 最近快調に、バリの絵を描き続けている飯嶋さん。一輪の蓮の花に水面の映り込みです。今回は、紙に油彩だったので、もっとサッと上げなければ、ボロが出る。キャンバスで再度描いて欲しい。紙は、エスキースと思えば、出来も良くなるもの。描きすぎないようにする、これも辛抱。

 夏のつかれ出る頃、辛抱辛抱、そのうち秋晴れさ。

ブラックにも順番がある

  • 2011.09.07 Wednesday
  • 17:20


 金子さんの新作です。今回は、久しぶりの静物画でブラックを意識した作品だそうです 。窓辺の雰囲気がいいですよね、白と黒が絵を引き締めています。

 順番の話です。この絵は、二通りの見せ方が出来ます。今回のように、手前から順番に奥に流れていく方法と、屋外をもっと暗くして葉っぱの周りにコントラストをつけると視点が奥から順に手前にくるようにすることも出来ます。それは、作家が自分で決めることですね。

 分からないではない。出来ないではない。すべては自分が決めることから作品作りが始まる。漠然といい作品を作ろうなんて、出来るわけがありません。コンセプトとかテーマといわれても、困る方は、この視点の順番をおさえるに限る。ぜひトライして習慣にしてください。

旅の絵

  • 2011.09.05 Monday
  • 19:15

 石井さんの新作です。クロアチアのとある村で、水が集落の中を巡り、崖から流れ落ちているらしい。 まるで箱庭のような、こじんまりと、夢のような世界ですね。絵を描く我らは、旅に出たら、絵の一つは残さなくてはいけない。耳が痛い方は、しっかりと受け止めて行動して欲しいものです。

 さて、この作品の集落と手前の滝のクッキリぐあいからいうと、背景の山はぼかし過ぎです。絵は、ある程度、おなじ方法で表現しなくてはならない。極端に手数に違いがあると、だいたいこうなってしまう。理由は、興味のあるところしか描かない。背景が写真では鮮明ではなく、解らない。ということだろう。もったいないことですね。

 興味のあるところは、しっかりと力強く描いて結構。他はどうするかというと、メインがよく見えるように補うようにする。けして、メインの邪魔をしてはいけない。そう考えれば、手数は自ずと増えるはずです。ほったらかしはいけません。次作に期待します。

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