やったもの勝ち

  • 2011.10.31 Monday
  • 21:59

 なんだか旅行帰りの方々が多く、賑やかな日でした。 そう、お茶菓子もいっぱい。そんな中で絵を仕上げたのは、神山さん。最近は3号のキャンバスに、小物のモチーフで連作しています。気晴らしが本気になってきたのか、模索が続いています。

 気張らないで、たんたんと積み重ねていく。知らず知らずのうちに、多くの作品を残し、それらには、脈々と大きなテーマが連なる。絵の先行きは知らねど、自分のスタイル・足跡のイメージぐらい、大風呂敷でいいから描いてもいい。

 自分がどうなりたいかというイメージは、アタマの中で思い浮かべていてはいけないらしい。書き留める・言葉にして発する、そのような行為を経て実現するものと、賢者は言っている。ある人は、自分の写真を真ん中に貼って、周りに実現したいことを書き留めて、壁に貼るとのこと。結構実現するらしいよ。やってみるか!

 と書いて、ここで、やる人と、忘却の彼方に飛ぶ人と二者に別れる。後悔は、やった上での後悔より、やらないで後悔する方が、悲惨な後悔になる。やるやらない、たったの違いで竜宮を見るのなら、やりましょう。コツコツ、たんたんと。

偶然を利用する

  • 2011.10.26 Wednesday
  • 18:54

 この絵は、植田さんの描き始めて2日目の絵です。さらに、2作目の油絵です。すでに相当いい感じなのは、理由がある。一つは、描き始めるまえに、鉛筆デッサンで対象の研究を終えていること。もう一つは、よくこのブログにもでてくるパッチワークの地塗りのおかげで、多くの色数がでて描き込んだようにみえるから。

 描きながら、ここに思ってもいない色を置くことはなかなか出来ない。しかし、最初からモチーフからはあり得ない色があるのだから、色味豊かになる。このままつぶれていくのももったいないので、今回取り上げました。

 偶然でも、いいなっと思えば、それを次回からは意識的に利用する。「いいじゃん」という自分の感覚とそれを記憶する頭脳、そしてその記憶を引っ張り出す勇気と行動力。これが制作の実体かも知れない。だから、3歩あるいて忘れてはいけないのだ。絵を描くことは老化防止になるはずだね。

遠中近、バッチリ

  • 2011.10.24 Monday
  • 18:22
 

 土方さんが、仲間とスケッチ会に参加してきました。場所は、八ケ岳の麓、山は間近に見えるほどの好天だったそうです。そのような青空のもとでは、なかなか傑作はでないのだけれど、いい作品ですね。

 この数年、何度言ってきたことだろうか。遠くのものには空の色を混ぜてコントラストを小さくすること。緑は、遠中近と色味を変えて遠近感を出すこと。素晴らしい!ぜーーんぶ消化しているではないか! 嬉しいね、かたちになるって。

 偶然だけれど、一つだけポイントを。ホルスタインの白黒はこの絵の中では最大のコントラストです。間違いなく、近景に見えるし密度もあるし、アクセントになってますね。ほのぼのとした、この絵にこころが和みます。

削げば削ぐほど

  • 2011.10.19 Wednesday
  • 22:25
 

 そこにあるものは、緑と白樺のみ。ほかにはなにもありません。バリバリの具象絵画なのに、それはそれは抽象化のほとばしるパワーを感じる作品を作ったのは、鈴木さん。いい作品です。

 そもそも僕は、具象作品と抽象作品の違いは無いと考えています。描く対象を、削いで研ぎ澄まされれば、それは単純化し、世の人は抽象絵画だといいましょう。もともとのアイディアなり発端は、それはそれは具体的なものから発するものです。(90%ぐらい?)だからほとんどの作品は、具象作品と言ってかまわないと思う。

 ではなぜ、それほど庶民の方から、抽象という言葉が飛び交うのだろうか? それは理解しよう、自らのイメージを膨らまそうとすることを、遠ざけているにすぎない。私たち、物作りをしている者は、ステレオタイプに素晴らしい「抽象性」に対して身を引いている方を一人でもすくい上げる、啓蒙活動をしなければならないのである。

 いい絵は、シンプルだ。身をそぎ、言葉をそぎ、多くを語らず、メッセージを委ねる。いい絵を描く者は、生活もそうであって欲しいし、そうでなくては形になりませんよね。

2作続けて描くと

  • 2011.10.17 Monday
  • 18:40

 以前、紙に油彩で蓮の花を描いた飯嶋さん、本作で再度仕上げました。モチーフがいいのでもう一度、キャンバスに描いてみたらと薦めたところ、いい結果が出ましたね。

 結果的に、エスキースをして方向性を探し、次につなげることになった。本人は前作をそのままキャンバス上で再現すればいいと思っていたのでしょうが、そうはいかない。一回描いたことで、次はどうするかという挑戦が必要なのだ。

 これも、元ネタはバリの写真。写真をどう読み解くか? べつに謎解きをすれというのではない。作業の方向性を整理することだ。蓮と葉っぱだけが現実の世界で、他は水面に映りこんだ虚の世界。この違いを意図的に現すこと。蓮と葉っぱ以外は、揺らぎを強調するといい感じになったね。

 もう一つ、写真には写っているが、必要のないものは省くこと。特に右上の草が映りこんでいるところは、邪魔しているので、カット。空にしてみると、なんと蓮にしっかり目が向きました。う〜〜ん、絵はホントにおもしろい!

今、何をすべきか?

  • 2011.10.12 Wednesday
  • 19:47
 

 午後クラスの服部さんが、いま取り組んでいる「空」シリーズです。怪しげで、ダイナミックな広がりのある夕焼け空を描こうと奮闘中です。

 もとの写真があるのですが、その写真を写していては、写真より良くなるわけはありません。そのオリジナルに、自分を移しこまなければいけないのです。そこで、片方を赤っぽく、もう一つを青っぽく描く方針を決め、それに合う色を見つけることになります。

 おそろおそろと自信なく、絵の具を置けば、鮮度もなくなりダイナミズムも低下します。大切なことは、写真の表面をさらうのではなく、目的の色形をだすために、今何をしなければならないかを考え、行動すること。

 最高の結果を求め、今何を優先し、行動すべきか? まったくもって、仕事をすることとおんなじですね。避けて通れません。

繰り返す

  • 2011.10.10 Monday
  • 19:19
 

 本日、海田さんは、午前午後続けて受講し、同じものを2枚制作しました。1枚目の反省に則り、すぐさまもう一枚。実に理解が深まり、自分のものとすることができましょう。写真では分かりにくいのですが、右側が最初です。少々描きすぎました。

 水彩の場合は、背景から描くほうがうまくいきます。その理由は、そのバックに合うように、中も描くから。最初から、中を描くということは、バックの白地に合うように描く訳ですから、後でバックに彩色してもうまくいかないことが多い。全体的に制作を進めるということは、油彩でも同じことですね。

 右の絵は、その葉っぱから着色し、その分バックが濃くなる。なんかうまくいかないと、そこばかりいじるものだから、どんどん汚れていく。そして、右の梨と鮮度が違うことになり、イマイチ。こんないきさつを、考えて、2回目にトライした訳です。いい感じに風が通りましたね。


 そして、中村さん。前回まで、油彩で制作していたモチーフをいつもの水彩でもう一度。要点をつかんでいるので、ササッと仕上げました。とっても鮮度のいい作品です。このように、もう一度、何回も制作することは、血となり肉となる。いいことです。

旅にでれば

  • 2011.10.05 Wednesday
  • 18:24

 藤山さん、北海道旅行の時のスケッチから、風景画制作です。現在、同様の作品を3点、同時進行中。美瑛の丘辺りでしょうか、花々の丘が連なっています。いつものように、ほんわかフジヤマワールドですね。

 よく、旅行中の写真を持ってきて、この写真絵になりますか?と質問されます。たいがい、ダメなんですが、ちょっと協力して絵になる方法を教えたりします。そもそも、絵を描かれる方が、旅行したならば、絵を描くつもりで写真を撮らなければならない。

 右へ左へ移動、遠くから近くから、下から上から、全体に部分のディテール、描こうと思ったなら、これぐらいはやるべきです。そんなに時間をとることもあるまい。ちょっとおしゃべりをやめればいいこと。(そして、さらに、簡単なスケッチをする)

 スケッチは、簡単であれば簡単であるほど、いいかもしれない。余計なところを描かないし、興味のあるところから描くだろうから、そのことが後で絵にするときに、役に立ち、道筋をさだめるのだ。

 秋の旅行シーズンです。やるのだ!

日々学習

  • 2011.10.03 Monday
  • 18:50

 佐々木さんが、長いこと描いていたF4の小品を仕上げました。3ヶ月程描いていただろうか? この一点で相当学習したはずです。「大中小」「手数はいっしょ」「基本は明暗」「答えは写真にある」「抜ける・止まる」「色数は、それほどいらない」「うまくいかないところは他のせい」「一ヶ所をいじくりまわすな」「すぐ隣を描いていけばつぶれる」・・・・。うぉ〜〜〜!たくさん!!! 学習とは、それを形にして、はじめて理解したということ。次作に期待してますよ。


 中村さんは、いつも水彩を描いているのですが、気晴らしに一点だけ油絵に挑戦です。さて、気分転換になったのだろうか? いつもは一日に一点描ける水彩、何度も塗り重ねていく油彩は、それほど気分転換にはならなかっただろう。逆はあるけれど。

 しかし、素材を変えて、描写することは、間違いなく後に効果を出し、血となり肉となる。日々、スケッチをすることは、どれほど毎日脳に刺激を与えていることだろうか。老化防止に、日々一枚。みんなやってみたらいい。どう? 

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