人物クラスから
- 2018.02.28 Wednesday
- 20:14
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柳澤さんの牛骨シリーズ、浦島太郎編完成です。最初は、どうなることかと思いましたがまとまりましたね。まずは、亀の位置と方向で、牛骨の方向に向いていないといけません。そして、主役の牛骨を大きくする。亀は最後に青のグレージングで弱めます。作者にも言いましたが、今の大河ドラマ「西郷どん」オープニングで亀が出てきて、海の中に海上の太陽が燦々と降る光景があります。この絵と同じ状況で、全てに青がつながる調和、とても参考になりました。さて、牛骨は次にどこにいくのでしょうか? 続きはあるのか?
澤田さんの最新作。日高市の巾着田に曼珠沙華の群生地があります。はじめて、彼岸花と曼珠沙華は違うものと知りました。天皇ご一行がそこを訪れたとき、同じ日に澤田さんも居たとのこと。一面極彩色の赤、赤、赤。それはそれはみごとな景色で、たくさんのゴスロリのオネーサンが撮影会をやっています。曼珠沙華と相性がよいようです。で、その華やかさを表現できたかな? わ〜〜赤〜〜〜って絵になれば成功! どうぞ、みなさんも来年の秋、是非行って下さいませ。
そして、真逆の清々しい高原の絵は、越知さんです。山羊が草を食み、佇む。上空は青白い世界が広がります。山の距離感は、キレイな空気の表れでしょう。遠景、近景、手前の広がり、いい構図です。絵の要素をしっかりおさえていますね。この調子で頑張って!
青い抽象画は森さん。部分だけでは絵にならず、形態のリズム・ルールに繋がりがなければ、絵が成立しません。まずは、自分の絵を鳥瞰のごとく全体のバランスを把握することだ。一カ所修正すれば、直ちに、最低でも二カ所の修正を要します。絵は止まっては死んでしまう。スクラップ&ビルト。絶えず蠢き、形が段々と醸し出す。体力のいる仕事よね。
山嵜さんのコスモスが、やっと完成です。最後に、グレージングで調整して花の強弱をつける。花びらにも周りの色を出し入れするとなじむ。花ばかり描いて、半年。周りを描かないと絵が終わらないと学習。その学習の蓄積(忘れないで、次の仕事に役立たせる。その経験をもとに次のアレンジを試す。)が絵を描くことです。
絵が少々光っちゃいました、神山さんのバンビが終了。描き始めのディズニー風の世界をどうするの?てな感じで、しばらく悶々と時間がかかってしまいましたね。雪解けの春をイメージして、何とか絵になったかな。ただ、バンビがいて絵になるのならいいけれど、そうはいかないよね。しかし、雪解けの時期にバンビがいるのか?と言われても確信がもてない。多分いないか、、、。
恒例のパリ・サロン出品中の原田さんより連絡が入りました。今年もいいところに飾られたようです。なんか、ゆとりのある展示、、、出品数が少なかったのかしら? このグランパレで開催されるサロンは、水彩・デッサンのカテゴリーの公募展で、たくさん並んでも、いい空間が出来上がります。そして、日本と違うところは、みんな売値がついていて、お客さんは買うつもりで見に来ているんですよ。出品者は、大きめの作品を1点と小さな作品を1点出品が必須で、下の小さな作品の集まりは、お買いどころコーナーていうところかな。さて、今年はどうでしょうか? 頑張れ!って、作品が頑張れっていうことね。
昨日の2/11から始まりました松濤美術館公募展。お二人が入選し、さらに奨励賞受賞という、まことに嬉しい結果でした。まずは、山嵜容子さん。いつものダーツ板がある室内モチーフに、今回は窓の外の景色を入れました。その景色は渋谷から見える東京の夜景で、飛行機にヘリコプターがぶんぶん飛んでます。タイトルは「今夜もタイヘン」です。事件があれば東京の空はいつもこんなもの、タイムリーに絵の中でヒットしました。おめでとうございます。
そして、コラージュ作品を出品した小松晃さんも「色鳥」が奨励賞受賞! 本人も励みになるとニコニコです。高校時代の絵の恩師も駆けつけてくれたようですね。絵は、何枚も描いたものから切り取り、再構成し、さらに色つけをする。スクラップ&ビルトの繰り返しで出来た作品です。あとは、仕上げのテクニックね。なんたってブカブカなんだもの。よかったよかった!
本展は2/25まで開催しています。(月曜日休館)渋谷の人混みを抜けて、東急デパート本館を右手に見ながら、さらに奥に歩いて山手通りに出る一本前の道を右に曲がると渋谷区立松濤美術館です。お時間がありましたら、ぜひ見てあげて下さい。
山嵜さんのコスモス、もうすぐ完成です。この絵、長いこと、、、かれこれ1年? うまくいきませんでした。そこで、いつもの花を描くの禁止令を出して、ひたすら背景の葉っぱや空を描きました。ここにきていい感じになってきたので、キッチリ説明的な花をバックと同じ感じ、同じようなタッチで、花の中に周りの色も入れ込んで、、、どうでしょうか?いいではありませんか!やわらかな風にそよぐ感じも出ていますね。やはり、バックありきです。
そして、海田さん。葉っぱと雰囲気で水彩画を描く、、、が、だんだんとペースをつかんできた。何を表現するかを3行のコメントに記して取り組む。何を求めるかで、色もタッチも決まってくる。やることを明快にする週間がつきつつあります。これは、新幹線の中から眺めた富士山。冬空におぼろげに見えて雲と一体化している。ちゃんとリアリティーのある体験を描き留める習慣が、絵を変えていきます。
これは、マティス大先生の連作。最後の簡略化されたフォルムまで、何作も同じ題材を描き続けます。皆さんが、次は何を描こうと、新しもの好きの如く彷徨うのとは違いますね。次はどうする?と何度も思考する姿が感じられます。何を省いて、何を残すのか、、、。勉強になるなあ〜〜〜〜!がんばんべ!!!
今日は、植田さんの小品2点。小さい作品は、難しいのです。小さいからラクチンなんてとんでもない。大きい作品並の大胆さ、小さい故に、よけいなモノを省く潔さを求められる。この作品は、紅葉の裾野と雲にかすむ高山。まったく違う世界の境界を描いているのだ。山と紅葉というような付け足しではありませんよ、山と紅葉の境界。テーマ、ポイントがキューッと絞られています。わかるかな?作品になるときはこういうことです。
次に、ちょっと作風が変わったけれど、これも高山植物で山繋がりです。実はこれも、下草と上空のショッキングピンクで、みごとに境界を作りあげています。その境界に、小さくて可憐な花々が、神々しく存在しているのですね。山歩きは、こんな境界を漂う感じなのかもしれませんね。